パラタルバーの設定位置が厚さ弁別能に及ぼす影響

  • 麻生 千織
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野
  • 松木 貴彦
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野
  • 鱒見 進一
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Influence of Setting Position of Palatal Bar on Thickness Discrimination

この論文をさがす

抄録

目的 : 上顎部分床義歯装着が厚さ弁別能にどのような影響を及ぼすかについて, 実験用口蓋床を用い厚さ弁別能および厚さ認識部位について検討するとともに, 一定期間装着した際の影響についても検討した.<br>方法 : 実験には前・中・後パラタルバーの設定位置を被覆したA床, M床, P床と口蓋全体を被覆したF床, 計4種の実験用口蓋床を用いた. 弁別能試験用試験片は5.0×5.0×3.0mmの基準片と厚さを0.2mmずつ薄くした計5種を用い, 3秒間舌で口蓋へ押し付け厚さ弁別能試験を行った. また, 義歯適合性試験材を塗布した基準片の厚さを口腔内で3秒間認識させ, 試験材付着部位より厚さ認識部位を検討した. さらに, A床部被覆口蓋床を2週間装着させ, 厚さ弁別能の変化を検討した.<br>結果 : 口蓋被覆の有無・部位に関わらずA床領域で有意に厚さを認識し, A床装着時に厚さ弁別能への影響が大きかった. またA床部被覆口蓋床を2週間装着することで, 低下した厚さ弁別能は有意に回復した.<br>結論 : 前パラタルバー設定位置を被覆する有床義歯は, 装着当初, 口腔内摂取直後の厚さ弁別能に影響を及ぼすが, 装着2週間後には有意に改善することが推察された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ