新義歯治療過程における術者評価と患者評価の経時変化

書誌事項

タイトル別名
  • Changes of Evaluation by Dentists and Patients during NEw Complete Dentrue Treatment
  • Evaluation of new complete denture treatment by dentists and patients

この論文をさがす

抄録

目的 : 超高齢者社会を迎えた今, 患者のQOLの重要性は高まり, 効率的な新義歯治療が求められてきている. そのためには, 術者と患者の義歯に対する評価を適切に把握することが重要である. そこで, 新義歯治療における術者と患者の評価の経時変化とその関係を明らかにすることを目的とした.<br>方法 : 上下総義歯を新製する患者40名を対象者とし, 義歯の状態・顎堤の状態・咀嚼機能・満足度・QOLを評価項目として調査を行った. 診査時期を1) 初診時, 2) 新義歯完成直前の旧義歯装着時, 3) 新義歯装着後1回目来院時の調整前, 4) 新義歯装着後1カ月の4回とし, その評価の変動を検討した. 中でも特に2) と3) の2時期を詳細に分析し, 術者と患者の評価の関連性・一致性を検討した.<br>結果 : 全ての評価において, 旧義歯の状態が新義歯の評価に影響していることを示した. すなわち, 旧義歯の評価が高いと, 新義歯の評価は低下しやすく, 反対に旧義歯の評価が低いと, 新義歯の評価は上昇しやすい傾向が示された (p < 0.01). しかし, 新義歯装着前後の期間においては, 術者と患者の評価の間には関連性は認められず, 一致性も示されなかった.<br>結論 : 新義歯治療過程における術者と患者の義歯に対する評価の経時変化と, 両評価の関係が明らかになり, その両評価間に関連性・一致性は示されなかった. これより, 治療を進めていく上で, 両評価を十分に把握することの重要性が明らかになった.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ