習慣性咀嚼が顔貌対称性および側方限界運動に及ぼす影響

  • 河野 稔広
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野
  • 槙原 絵理
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野
  • 鱒見 進一
    九州歯科大学口腔機能再建学講座顎口腔欠損再構築学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Habitual Mastication on Facial Symmetry and Lateral Border Movements
  • A Effects of Habitual Mastication on Facial Symmetry and Lateral Border Movements

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抄録

目的:習慣性咀嚼が顔貌対称性および側方限界運動に影響を及ぼすか否かを明らかにすること.<br>方法:骨格性顎顔面非対称が認められない正常有歯顎者20 名に対し,ロールワッテを用いて習慣性咀嚼側を測定した.つぎに各被験者の正貌をデジタルカメラで撮影した後,パーソナルコンピューター上で5本の顔面計測線の傾斜角を計測し,顔貌の偏位側を決定した.これらの結果から,習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との一致性についてκ値により検討した.また,各被験者のゴシックアーチを記録し,側方展開角および側方限界運動距離を算出した後,習慣性咀嚼側および非習慣性咀嚼側の2 群間における側方展開角および側方限界運動距離との関係について検討した.<br>結果:顔貌対称性の評価に用いたすべての計測線は,習慣性咀嚼側の顎関節部へ収束するよう傾斜する傾向がみられた.また,習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との間には,中等度の一致性が認められた. さらに,習慣性咀嚼側への側方限界運動距離は反対側に比べ有意に長かった.<br>結論:習慣性咀嚼は,顔貌対称性および側方限界運動に影響を及ぼすことが示唆された.

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参考文献 (37)*注記

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