前歯部の咬合接触の改善により新義歯の咬合高径に順応した無歯顎症例

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  • An Edentulous Patient Adapting a New Complete Denture with Increased Occlusal Vertical Dimension due to Improved Anterior Teeth Contacts

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抄録

症例の概要:患者は,義歯床下粘膜の疼痛および咀嚼障害を主訴とした80歳男性である.新製した総義歯の装着により主訴は改善されたが,患者は過高感を訴えた.適切に回復されたと考えられた咬合高径は変えず,下顎偏心運動の極初期から上下顎前歯部が咬合接触する義歯を再製作した.新義歯装着直後より過高感は消退した.4年6カ月間,この咬合高径が維持され,経過も良好である.<br>考察:総義歯装着者の咬合高径の受容においては,咀嚼筋や顎関節からの感覚情報とともに,義歯床下粘膜からの情報も関与することが示唆された.<br>結論:総義歯を十分に機能させるには,前歯部の咬合接触の強さ,タイミングなどをも考慮した咬合の付与が肝要である.

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