木材腐朽が釘接合部のせん断性能に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effects of Wood Decay on the Shear Performance of Nailed Timber Joint
  • モクザイ フキュウ ガ クギ セツゴウブ ノ センダン セイノウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

本研究では,一般的な褐色腐朽菌であるオオウズラタケ(Fomitopsis palustris)を用いて強制腐朽処理を行ったトドマツ(Abies Sachalinensis)の縦圧縮試験および鋼板添え板釘打ち接合の一面せん断試験を実施した。また試験終了後に鋼製ピンの衝撃打ち込み深さを測定した。試験の結果,腐朽初期の釘せん断耐力の低下は,縦圧縮強度の場合に見られるような指数曲線的な急激な減少とは異なる傾向を示していた。また腐朽した釘接合部では,釘頭部の破断が生じずに釘が引き抜ける破壊形態であったため,最大耐力に達した後は荷重がゆるやかに低下しながら変形が進行していった。鋼製ピンの衝撃打ち込み深さから推定した木材の支圧強度を用いてヨーロッパ型降伏理論に基づいて求めた釘せん断耐力の低下傾向を実験結果と比較した結果,腐朽した釘接合部の終局せん断耐力を,ピン打ち込み深さから評価することが可能であると示唆された。

収録刊行物

  • 木材学会誌

    木材学会誌 56 (1), 41-47, 2010

    一般社団法人 日本木材学会

被引用文献 (9)*注記

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参考文献 (27)*注記

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