会津地鶏の五色羽装とSLC45A2遺伝子上の変異との関係

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  • アイズジドリ ノ ゴシキ ウソウ ト SLC45A2 イデンシ ジョウ ノ ヘンイ ト ノ カンケイ

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抄録

会津地鶏は,福島県の特産銘柄鶏の素材鶏として保存されており,五色羽装を有している。近年,SLC45A2遺伝子が銀笹羽装に関与していることが報告されている。本研究では,SLC45A2遺伝子上の銀笹羽装に影響を与える変異と大型会津地鶏(会津地鶏×白色プリマスロック)の五色羽装との関連性を調査した。用いた集団は,大型会津地鶏雄および赤笹羽装を示すロードアイランドレッド(RIR)雌を親世代としたF2個体雌204羽である。SLC45A2遺伝子上のアルビノ形質に影響を与えるフレームシフト変異(S36fs)および銀笹羽装に影響を与える2つの非同義置換を伴うSNP変異(Y277CおよびL347M)について遺伝子型判定を行い,F2個体の羽装との関連性を調査した。調査した親世代とF2の集団では,S36fsについて,アルビノ形貨を示す遺伝子型は得られなかった。しかしながら,Y277CおよびL347Mについては,各アリルが完全に連鎖不平衡となっており,親世代である大型会津地鶏とRIRでは銀笹羽装を示すハプロタイプ(Silver型)および赤笹羽装を示すハプロタイプ(Wild型)が完全に分離していた。F2集団204羽の羽装は,五色羽装100羽,赤笹羽袋99羽および白色羽装5羽と,アルビノ型を持たないにも関わらず白色羽装個体が存在した。そのため,劣性白色遺伝子であるTyrosinase遺伝子について遺伝子型を調査したところ,白色羽装を示す個体はすべてTyrosinase遺伝子による影響であることが確認された。F2集団で五色羽装を示す個体はすべてSilver型であったが,赤笹羽装を示す個体の中にもSilver型である個体が5羽認められた。本研究では,五色羽装を示すすべての個体がSilver型を持っていることから,SLC45A2遺伝子が大型会津地鶏の五色羽装に影響を及ぼしている可能性があることが示唆された。

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