低リン・低エネルギー飼料に対する大腸菌由来フィターゼの添加がブロイラー雛におけるリンの利用率および栄養価に及ぼす影響

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  • テイリン テイエネルギー シリョウ ニ タイスル ダイチョウキン ユライ フィターゼ ノ テンカ ガ ブロイラー ヒナ ニ オケル リン ノ リヨウリツ オヨビ エイヨウカ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

低非フィチンリン(npP)・低代謝エネルギー(AMEn)飼料に大腸菌由来フィターゼを添加した場合のブロイラー雛におけるリン(P)の利用率およびAMEn価の改善効果について検討した.試験区は,トウモロコシおよび大豆粕を主体とした正の対照飼料(粗たん白質(CP);21.5%,AMEn;3,000kcal/kg,カルシウム(Ca);0.95%,npP;0.45%),CPは同一で,正の対照飼料よりPおよびCaをそれぞれ0.12%,AMEnを150kcal/kg低下させた負の対照飼料(CP;21.5%,AMEn;2,850kcal/kg,Ca0.83%,npP0.33%)および負の対照飼料に大腸菌由来のフィターゼを500フィターゼ単位(FTU)/kg添加した飼料を給与する計3区を設定した.供試雛は,ブロイラー専用種初生雄雛240羽を用い,各区に80羽(10羽×8群)ずつ割り付けて餌付け時より3週間不断給与により飼育した.試験開始時および試験終了時の体重,ならびに毎週の飼料摂取量を調査するとともに,試験終了前4日間の排泄物を採取して各供試飼料のAMEn,乾物,窒素(N),PおよびCaの排泄率を調査した.さらに,試験終了日に各区の16羽ずつから脛骨を採材して灰分含量を測定した.その結果,負の対照区の発育および飼料要求率は正の対照区より有意に劣ったが,大腸菌由来フィターゼの添加により改善される傾向を示した.また,負の対照区の実測AMEnは正の対照区に比べて190kcal/kg 低かったが,大腸菌由来フィターゼの添加により実測AMEnは270kcal/kg高まった.さらに,負の対照区の乾物,PおよびCaの見かけの蓄積率は正の対照区に比べて有意に低く,脛骨灰分含量も有意に低かったが,大腸菌由来フィターゼの添加により乾物,N,PおよびCaの蓄積率は有意に高まり,脛骨灰分含量も有意に増加した.

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参考文献 (18)*注記

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