小学校校舎内で採集された昆虫の教材化に関する基礎的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Basic Study for the Development of Teaching Materials on the Insects Collected in Elementary School Buildings.
  • ショウガッコウ コウシャ ナイ デ サイシュウ サレタ コンチュウ ノ キョウザイカ ニ カンスル キソテキ ケンキュウ

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抄録

<p>小学校第3学年では,昆虫の体の主要な形態について学習する.様々な昆虫の食性を学習することは,昆虫の形態(特に口器)やその種の暮らし,生物同士のつながりを考える上で重要である.まず,小学校3年生136名を対象に10種類の昆虫の食性に関するアンケートによる実態調査を行なった.多くの児童は,基本的な昆虫の食性を知らないか,誤解していた.次に,22の小学校の校舎内で昆虫死体の採集を行なった.学校の校舎は,トラップの役割を果たしているため,校舎に入り込んだ昆虫の一部は逃げ出せなくなる.22校において,10目1,935個体の昆虫が採集され,体育館のギャラリーで最も多く採集された.学校周辺の緑地面積と昆虫の個体数密度の間には有意な正の相関があったが,緑地面積と種数密度の間には相関はなかった.完全な形態で採集された昆虫は,採集個体の47.1%であった.これらの結果から,校舎内で採集された昆虫死体の教材としての有効性について議論した.</p>

収録刊行物

  • 生物教育

    生物教育 49 (1), 1-7, 2009

    一般社団法人 日本生物教育学会

参考文献 (17)*注記

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