ニワトリの脳下垂体後葉抽出液およびアフリカツメガエルの脳下垂体抽出液によるニワトリの産卵誘起実験

書誌事項

タイトル別名
  • Induction of oviposition in laying hens using the extract from neurohypophysis of chickens and pituitary gland of African clawed frogs.
  • ニワトリ ノ ノウカスイタイ コウヨウ チュウシュツエキ オヨビ アフリカツメガエル ノ ノウカスイタイ チュウシュツエキ ニ ヨル ニワトリ ノ サンラン ユウキ ジッケン

この論文をさがす

抄録

<p>ホルモンの作用を観察する実験として,卵管の卵殻腺部に卵を持ったニワトリに脳下垂体後葉の抽出液を静脈内投与して産卵を誘起する実験の方法を検討した.屠殺直後のニワトリから脳下垂体後葉抽出液を得てニワトリに投与すると,投与量に依存して産卵が誘起された.ニワトリ1羽に対して脳下垂体後葉の1個分もしくはその1/8量の抽出液を投与すると投与後およそ3分ですべてのニワトリにおいて産卵が誘起された.産卵鶏を断頭屠殺して頭部を4℃での冷蔵庫内で保存し,脳下垂体後葉に含まれるバソトシンの量をラジオイムノアッセイで測定したところ,保存1日目でバソトシン量は屠殺直後の約半分の量に減少したが,その後保存4日目まではバソトシン量の減少は認められなかった.また鶏肉店で購入した冷凍のニワトリ頭部の脳下垂体後葉に含まれるバソトシン量は屠殺直後のニワトリに比べおよそ1/100であり,アフリカツメガエルではおよそ1/50であった.缶詰めのニワトリ頭部ではほとんどバソトシンは含まれていなかった.冷凍のニワトリ頭部では8個分の脳下垂体後葉抽出液で,またアフリカツメガエルでは3個分の脳下垂体抽出液でほぼすべてのニワトリにおいて産卵を誘起することができることが明らかとなった.以上のことから,本研究における産卵鶏を用いた産卵誘起実験は実際の教育現場で十分利用可能であることが示唆される.</p>

収録刊行物

  • 生物教育

    生物教育 51 (1-2), 21-29, 2010

    一般社団法人 日本生物教育学会

参考文献 (41)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ