ヘアリーベッチ導入水田における中苗移植された稲の生育と収量

  • 堀元 栄枝
    新潟大学農学部 現所属 ; 佐賀大学農学部
  • 藤井 義晴
    農業環境技術研究所
  • 荒木 肇
    新潟大学農学部 現所属 ; 北海道大学北方生物圏フィールド科学センター

書誌事項

タイトル別名
  • Growth and Yield of Middle Seedling Grown Rice in Paddy with Hairy Vetch
  • ヘアリー ベッチ ドウニュウ スイデン ニ オケル チュウビョウ イショクサレタ イネ ノ セイイク ト シュウリョウ

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抄録

ヘアリーベッチは2001年11月1日に4kg/10aで播種した.翌年2002年5月17日にヘアリーベッチをすき込みあるいは不耕起マルチとして水田に導入した栽培において,水稲の生育遅延・収量低下を克服するために,中苗移植の効果を慣行栽培である稚苗移植と比較した.移植後28日(6月20日)の葉身窒素含有量はHVすき込み区の中苗移植株が3.8%,HVマルチ区の中苗移植株が3.6%と慣行栽培の3.5%以上となった.移植後56日(7月18日)の水稲の草丈は慣行栽培で58.5cm, ヘアリーベッチを導入した水田の中苗移植株でも同様であった.茎数は慣行栽培の8.0/株に対し,HVすき込み区での中苗移植株は9.7/株と増加したが,HVマルチ区の中苗移植株は6.8/株と少なかった.ヘアリーベッチを導入した水田の中苗移植株のLAIは移植後78日(8月10日)に慣行栽培と同等であった.ヘアリーベッチを導入した水田で稚苗移植株の水稲収量は,慣行栽培の62.6%から67.3%の収量であった.しかし,中苗移植株では慣行栽培の81.4%から85.6%まで増加した.<BR>以上からヘアリーベッチ導入水田に生じる稲の生育遅延と収量低減は中苗を栽培することによって改善できる可能性が示された.

収録刊行物

  • 農作業研究

    農作業研究 43 (4), 199-205, 2008

    日本農作業学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (10)*注記

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