蛍光相関分光計測を用いるマイクロチップ等電点電気泳動システムの開発

  • 長谷川 寛
    光産業創成大学院大学光情報・システム分野 浜松ホトニクス株式会社電子管事業部
  • 松本 浩幸
    浜松ホトニクス株式会社中央研究所
  • 石井 勝弘
    光産業創成大学院大学光情報・システム分野

書誌事項

タイトル別名
  • Development of the Microchip Isoelectric Focusing System with Fluorescence Correlation Spectroscopic Measurement
  • ケイコウ ソウカン ブンコウ ケイソク オ モチイル マイクロチップ トウデンテン デンキ エイドウ システム ノ カイハツ

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抄録

試料の分離と収束が同時に行われる蛍光検出マイクロチップ等電点電気泳動法は高感度分析法として有効であるが,それぞれの試料の等電点が近いか同じ場合には分離して定量することが困難である.この問題を解決するため,樹脂基板中にチャネルを形成したマイクロチップを用い,蛍光相関分光法とマイクロチップ等電点電気泳動法を組み合わせたシステムを開発した.本システムは,チャネル内に収束した試料画分を蛍光走査法によって検出すると同時に,蛍光相関分光法によって分子の数と大きさを測定することを特徴としている.蛍光標識ペプチドあるいはタンパク質を試料として分析を行ったところ,等電点の値に応じて収束した画分の検出分子数は,収束前と比較して約20倍以上増加していた.一方,計測された並進拡散時間より分子量を推察することができた.本システムは,等電点の差だけでは分離定量することが困難な試料に対して,分子量による分離を組み合わせた新しい分析法として期待される.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 60 (12), 977-982, 2011

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (14)*注記

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