心理的ならびに生理的指標による主としてハーブを用いた園芸作業の療法的効果の検証

  • 嵐田 絵美
    千葉大学大学院自然科学研究科
  • 塚越 覚
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター
  • 野田 勝二
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター
  • 喜多 敏明
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター 千葉大学柏の葉診療所
  • 大釜 敏正
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター
  • 小宮山 政敏
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター
  • 池上 文雄
    千葉大学環境健康都市園芸フィールド科学教育研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Psychological and Physiological Verification of the Therapeutic Effects of Horticultural Activity Mainly with Herbs
  • シンリテキ ナラビニ セイリテキ シヒョウ ニ ヨル シュトシテ ハーブ オ モチイタ エンゲイ サギョウ ノ リョウホウテキ コウカ ノ ケンショウ

この論文をさがす

抄録

主にハーブを用いた園芸作業の持つ療法的効果について,心理的指標である精神健康調査(GHQ)および気分プロフィール検査(POMS),生理的指標である唾液中コルチゾール濃度およびフリッカー値を用い,主観的および客観的に検証することを試みた.<br> GHQから,園芸作業による神経症症状の改善傾向が認められた.POMSから,園芸作業には緊張や不安,抑うつ感,疲労感,当惑などの一時的な負の感情を減少させる効果があることが明らかとなった.唾液中コルチゾール濃度は作業前に比べて作業後に低下し,作業によるストレスの緩和効果が認められた.フリッカー値の変化から,屋外での栽培作業は室内でのクラフト作業に比べて中枢性疲労の回復効果が大きい可能性が示唆された.<br> 以上より,園芸作業は神経症症状や一時的気分の改善に有効であった.また,唾液中コルチゾール濃度とフリッカー値によって,園芸作業がストレスや中枢性疲労の解消に効果的であることを客観的に判断できた.質問紙による主観的評価に,客観的評価指標を組み合わせることで,園芸作業の療法的効果を総合的に判断し,より効果的なプログラムの構築と普及に寄与できると考えられた.<br>

収録刊行物

  • 園芸学研究

    園芸学研究 6 (3), 491-496, 2007

    一般社団法人 園芸学会

被引用文献 (11)*注記

もっと見る

参考文献 (26)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ