臨床分離 <i>Acinetobacter baumannii </i>complex の各種抗菌薬に対する感受性および多剤耐性 <i>Acinetobacter</i>(MDRA)の性状

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タイトル別名
  • Antimicrobial Susceptibility Profile of <i>Acinetobacter baumannii </i>Complex Isolates in Japan
  • 臨床分離Acinetobacter baumannii complexの各種抗菌薬に対する感受性および多剤耐性Acinetobacter(MDRA)の性状
  • リンショウ ブンリ Acinetobacter baumannii complex ノ カクシュ コウキンヤク ニ タイスル カンジュセイ オヨビ タザイ タイセイ Acinetobacter MDRA ノ セイジョウ

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抄録

2009 年日本全国の医療機関で得られた各種臨床材料から分離された Acinetobacter baumannii complex 93 株の各種抗菌薬感受性について調査した結果,meropenem(MEPM),ciprofloxacin および amikacin に対する非感性率は,18%,41% および 14% であった.対象の 93 株には入院患者由来株および外来患者由来株が各々 72 および 20 株含まれたが,入院患者由来株の今回測定した全ての抗菌薬に対する非感性率は外来由来株に比較して高値を示した. MEPM 非感性の 17 株は何れも metallo-β-lactamase を産生しなかったが,blaOXA-51-like はすべての株から,blaOXA-23-like は 5 株(29%)から検出された.また blaOXA-51-like の上流に ISAba1 が位置する株が 7 株(41%),そのうちblaOXA-23-like も保有する株は 4 株(24%)存在した.また,MEPM 非感性株は β-lactam 系薬以外の抗菌薬にも非感性率が高い傾向が認められた.Multidrug-resistant Acinetobacter baumannii は 4 株(4.3%)検出されたが,multilocus sequence typing(MLST)による型別の結果,すべて ST92(European clone II の系統株)であった. 以上の結果から日本で分離された A. baumannii complex 臨床分離株においても多剤耐性株や複数の OXA 型 carbapenemase 遺伝子を保有する耐性株の存在が確認された.今後これらの耐性株の増加が危惧されるため,継続した調査が必要である.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 85 (5), 501-507, 2011

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (24)*注記

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