院内報告の集計による臨床研修医の針刺し・切創,血液・体液曝露の状況と過少報告について

  • 青木 昭子
    横浜市立大学附属病院リウマチ・血液・感染症内科 東京医科大学八王子医療センター総合診療科
  • 武田 理恵
    横浜市立大学附属病院感染制御部
  • 満田 年宏
    横浜市立大学附属病院感染制御部

書誌事項

タイトル別名
  • Needlestick Injury, Blood and Body Fluid Exposure among Interns and the Issue of Underreporting
  • インナイ ホウコク ノ シュウケイ ニ ヨル リンショウ ケンシュウイ ノ ハリサシ ・ セツソウ,ケツエキ ・ タイエキ バクロ ノ ジョウキョウ ト カショウ ホウコク ニ ツイテ

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抄録

  横浜市立大学附属病院における針刺し・切創,血液・体液曝露(血液曝露)を集計して,研修医の血液曝露の頻度や好発時期,発生場所,発生状況を検討した.さらに研修医を対象とした質問用紙調査を実施して事例の報告率を調べた.病院全体で2007年4月から2010年8月の41カ月間に320件の報告があった.研修医数は毎年約70人で病院全体の医療スタッフ数の5%に過ぎないが,研修医からの報告は59件で,全体の18%を占めた.研修医の血液曝露は病棟と手術部で発生することが多く,看護師や医師と異なり4,5月よりも7月に報告が多かった.発生状況は鋭利器材の使用中が多く,医師と異なり採血後の血液分注時,静脈留置針挿入時での発生が多かった.質問紙調査の結果では回答者32人(回答率53%)中9人がのべ13回の血液曝露を経験していたが,その報告率は50%と低く研修医の「過少報告」が明らかとなった.今後,研修医の事例の特徴を踏まえた防止対策を立てるとともに,報告しやすい手順,環境を作ることが重要と考えた.<br>

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参考文献 (16)*注記

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