緑膿菌における抗菌薬感受性の推移

  • 佐藤 勝紀
    豊橋市民病院 薬局 豊橋市民病院 院内感染対策チーム
  • 山口 育男
    豊橋市民病院 中央臨床検査室 豊橋市民病院 院内感染対策チーム
  • 木下 恵子
    豊橋市民病院 中央臨床検査室 豊橋市民病院 院内感染対策チーム
  • 高橋 一嘉
    豊橋市民病院 看護局 豊橋市民病院 院内感染対策チーム
  • 伊藤 賀代子
    豊橋市民病院 看護局 豊橋市民病院 院内感染対策チーム
  • 山本 景三
    豊橋市民病院 感染症内科 豊橋市民病院 院内感染対策チーム

書誌事項

タイトル別名
  • Change in Antimicrobial Susceptibility of Pseudomonas aeruginosa
  • リョクノウキン ニ オケル コウキンヤク カンジュセイ ノ スイイ

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抄録

  2003年4月から2010年3月に臨床分離された緑膿菌6587株について,抗菌薬の使用量と抗菌薬感受性および交差耐性の関係を調査した.<br>   調査期間中にMBLs産生株は22株(0.33%)分離され,MDRPは2007年度に尿から3株分離された.MBLs産生株の分離は,2004年度4株(0.4%),2005年度8株(0.8%),2006年度6株(0.7%)で,この期間に集中していた.カルバペネム系,アミノグリコシド系,ニューキノロン系抗菌薬の総AUDは経年的に増加し,特にMEPM, AMK, CPFXの増加が著しかった.<br>   抗菌薬感受性は感性,中間値,耐性の3段階で判定し,2006年度の前後3年間におけるAUDと感受性を比較した.AMK, IPM/CS, MEPM以外の抗菌薬は,AUD増加に伴い,耐性株が有意に増加していた.AMKは耐性株と中間値株の増加に差がなかったが,IPM/CSとMEPMは中間値株が有意に増加し,CAZでは耐性株と中間値株の両方が有意に増加していた.<br>   MEPM耐性株がIPM/CS耐性株および中間値株と交差耐性を示す割合は,2003年度から2006年度まで100%であったが,2007年度から交差耐性を示さない株が分離された.MEPMのAUD増加による影響が示唆された.IPM/CS耐性株より,MEPM耐性株は,CPFX耐性株と交差耐性を示す割合が有意に高かった.緑膿菌の抗菌薬感受性は,殆どの抗菌薬がAUDと密接に関係していた.感受性を長期に監視する上で,AUDは重要な因子と考えられた.<br>

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参考文献 (16)*注記

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