自動視野計だけが視野ではない ~紙の検査が語るもの~

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抄録

我々の日常診療で、視野検査と言えば自動視野計を用いた静的視野測定やGoldmann視野計を用いた動的視野測定が思い浮かぶ。しかしながら、患者の様々な視野障害を評価する手法は、これら視野計を用いた量的視野測定だけではない。その中でも有名なものに、アムスラーチャートがある。アムスラーチャートは中心暗点や変視症を検出する上で、自動視野計に勝るとも劣らない検出能力を有している。私達は、さらにこの変視症を定量評価する目的でM-CHARTS を開発した。<BR> M-CHARTS は、変視症の自覚が点線の点の間隔を広くすると減少することに着目して開発した変視表で、非常に短時間に変視を定量評価可能であり、さまざまな黄斑疾患の機能評価に有用である。また私達は、緑内障の自己チェックを目的にクロックチャートを開発した。クロックチャートは検査用紙自体を自分で回転させながら多点刺激で視野異常をスクリーニングする方法で、新聞紙面を用い全国的な大規模スクリーニングを行った。その結果約4万人もの新規緑内障患者の検出に寄与した。<BR> 視野検査はあくまで患者の自覚検査である。新しい発想、視点を変えた考え方をもとに、私達が取り組んで来た、これら紙面を用いた視野検査法を通し、視野検査のもつ新たな側面に少しでも興味を持っていただければ幸いである。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001204247856512
  • NII論文ID
    10030281464
    130004552616
  • NII書誌ID
    AN10084015
  • DOI
    10.4263/jorthoptic.040k201
  • ISSN
    18839215
    03875172
  • データソース種別
    • JaLC
    • Crossref
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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