5'-DFUR+放射線化学療法を含む集学的治療により7年間CR継続中の非切除T4直腸癌の1例

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  • Long-Term Complete Response in a Case of T4 Advanced Rectal Cancer Following Chemoradiotherapy with 5'-DFUR

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抄録

症例は66歳,女性.2003年9月から下痢・便秘を繰り返していた.2004年1月排便時血便を認め,2月中旬当院消化器病センター受診し,精査の結果Rabに全周性の2型病変を認め,生検で低分化型腺癌であった.骨盤部CT,MRIにて腟後壁への浸潤が疑われ,膣細胞診でclassVであった.cSI(膣後壁),cN1,cH0,cM0の診断で3月手術施行したが,開腹所見で原発巣の可動性は不良で骨盤神経叢や骨盤側壁への浸潤も疑われたため非切除としS状結腸双口式人工肛門造設術を行った.2004年4月より放射線化学療法(5'-DFUR:800mg/m2+放射線:合計64Gy)を開始した.6月にCEA7.9(治療前32.7)ng/mlまで低下,画像所見はPRと判定した.7月より5FU/LV療法(5FU:600mg/m2,LV:250mg/m2,6投2休)を開始した.6コース終了時にはCEAは正常化,cPR継続であったため,原発巣切除を勧めたが患者の拒絶のため切除は行わず5FU/LV療法を継続した.5FU/LV療法16コース時終了時の2007年3月PET-CTでは異常集積を認めなかった.cCRと判定し,2007年3月からUFT+PSK内服へ変更した.2008年4月より経過観察のみであるが,2011年4月現在(治療開始7年)cCR継続中である.

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参考文献 (43)*注記

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