直腸癌術後の膜様閉鎖に内視鏡的切開術が有用であった2例

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  • Successful Endoscopic Incision for a Membranous Obstruction of the Anastomosis after Surgical Treatment of Rectal Cancer: Report of Two Cases

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抄録

直腸癌に対する肛門温存術後の吻合部に,狭窄を認める事がある.多くの狭窄例では,用指ブジーやバルーンを用いた内視鏡的拡張術で拡張が可能であり,吻合部が閉鎖まできたす症例は稀である.直腸癌術後の吻合部に膜様閉鎖をきたした例を経験した.症例1は術前化学放射線療法後で,肛門縁上の吻合部は完全に閉塞していたが,内視鏡直視下にて生検鉗子で把持したところ,やわらかく薄い膜であることから,膜様閉鎖であると判断し,鈍的に微小な穿通のみを形成し,さらに針状ナイフにて小切開を加え,バルーンで拡張した.症例2は,内視鏡直視下に送気すると微小な開口部が確認でき,薄い膜で覆われていたため,膜様閉鎖と判断し,針状ナイフにて小切開し,用指ブジーで拡張した.2例とも吻合部の膜様閉鎖に針状ナイフによる内視鏡的切開術が有効であった.

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