孤立性副腎転移に対する腹腔鏡下副腎摘除術の経験

  • 座光寺 秀典
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科
  • 工藤 祥司
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科
  • 犬塚 秀康
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科
  • 吉良 聡
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科
  • 宮本 達也
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科
  • 武田 正之
    山梨大学大学院医学工学総合研究部泌尿器科

書誌事項

タイトル別名
  • LAPAROSCOPIC ADRENALECTOMY FOR ISOLATED METASTASIS OF ADRENAL GLANDS
  • コリツセイ フクジン テンイ ニ タイスル フッコウキョウ カ フクジンテキジョジュツ ノ ケイケン

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抄録

(目的)転移性副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術の適応は現在も議論が多い.癌治療としての有用性を考慮し十分に検討する必要がある.我々は孤立性副腎転移症例に対し腹腔鏡下副腎摘除術を施行したのでその治療成績を報告する.(患者および方法)2004年6月から2011年6月までに悪性腫瘍が孤立性副腎転移を来した5例を対象とした.年齢69(61~72)歳,男性4例女性1例で原疾患は肺癌3例,肝癌1例,腎癌1例であった.腫瘍側は右2例,左3例で腫瘍径は3.5(2.5~7.0)cmであり,1例に他臓器転移の既往がみられた.手術成績と術後経過につき検討した.(結果)経腹到達法が3例,以前の手術で腹腔内に強固な癒着があると思われた2例は後腹膜到達法を選択した.手術時間142(126~174)分,出血量38(25~158)mlで輸血例はなかった.切除断端は全例において陰性であった.後治療は肺癌転移例1例に化学療法を行ったがその他は施行されていない.経過観察期間14(3~83)カ月で癌なし生存例は3例,腎癌転移例1例は術後15カ月経て肺転移が出現し,肝癌転移例1例は術後14カ月で癌死した.(結論)転移性副腎腫瘍に対する腹腔鏡下副腎摘除術は有用であるが,手術適応とアプローチなど術式についても十分に検討すべきであると思われた.

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参考文献 (25)*注記

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