Lymphoma in Asia:smoldering ATLの治療戦略

  • 塚崎 邦弘
    長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 附属原爆後障害医療研究施設 分子治療研究分野(原研内科)

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タイトル別名
  • Lymphoma in Asia : treatment strategy for smoldering ATL

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抄録

ヒトTリンパ球好性ウイルスI型(HTLV-1)が病因である成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)は,無治療でも数年以上病勢が進行しないことがあるindolent ATL(慢性型/くすぶり型)から数週間で死に至ることが多いaggressive ATL(急性型/リンパ腫型)まで,臨床病態は多様である。aggressive ATLには抗癌剤併用療法と同種造血幹細胞移植療法が開発されつつあるが,依然として予後不良である。一方indolent ATLに対しては,皮膚病変などへ局所療法を実施し,急性転化するまではwatchful waitingされることが多かったが,その長期予後は必ずしも良好ではない。欧米からインターフェロンα(IFN)とジドブジン(AZT)の併用療法が特にindolent ATLに対して化学療法よりも有望な成績が報告されている。抗体医薬など新規治療法も開発されつつある。以上より,海外においてATLの標準的治療法の一つとみなされるIFN/AZT療法の有用性の検証が,特にindolent ATLに対して日本で必要である。

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