ダカルバジン単剤投与が奏効した進行期悪性黒色腫の1例

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タイトル別名
  • A case of advanced malignant melanoma responding to single-dose dacarbazine

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抄録

40歳代,男性。初診の3ヵ月前に健診で胸部異常陰影を指摘された。胸部CT検査で左肺下葉に約7cm大の腫瘤を認め,気管支鏡検査による細胞診で悪性黒色腫と診断された。全身検索で右後腹膜,中脳水道,右側頭葉にも転移巣を認めたが,原発と思われる色素性病変は発見できなかった。原発不明の肺転移,脳転移,後腹膜転移を来した悪性黒色腫と診断した。脳転移巣にガンマナイフを施行後,ダカルバジン250mg/m2/day×5日間を開始した。1コース終了後より肺転移,右後腹膜転移の縮小を認め,3コース終了後,肺転移はRECISTで55.8%の縮小を示した。6コース終了後(ガンマナイフ施行後より25週後)に残存肺転移巣の切除を行った。切除4ヵ月後に新たな転移巣が縦隔,膵臓,腸間膜,副腎に出現した。脳転移にはガンマナイフを,縦隔には放射線照射を行い,シスプラチンによる化学療法を行ったが,効果はみられず,初診から20ヵ月後に永眠された。集学的治療が奏功した症例と思われた。

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