基底細胞母斑症候群の1例

  • 須山 孝雪
    埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
  • 寺本 由紀子
    埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
  • 堤田 新
    埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科
  • 山本 明史
    埼玉医科大学国際医療センター皮膚腫瘍科皮膚科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of nevoid basal cell carcinoma syndrome

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抄録

65歳男性。1年前に気付いた鼻尖部の10×10 mm大の常色結節を主訴に受診した。鼻以外にも顔面から頸部に3~8mm大の黒色斑や丘疹が多発していた。鼻尖部の結節を生検し基底細胞癌(以下BCC)と診断した。臨床像・ダーモスコープ所見で他の黒色腫瘍も全てBCCを疑い,2~3mm離して切除・縫縮した。鼻尖部結節は境界が不明瞭であったため,初回の手術で病理組織学的に腫瘍の残存がないことを確認後,二期的に鼻唇溝皮弁で再建した。その後も残存する顔面の多発BCCを逐次,追加切除した。その他の所見として両手掌に点状陥凹が存在し,前頭突出や眼間解離があり,レントゲン,CTで大脳鎌の石灰化が認められ,最終的に基底細胞母斑症候群と診断した。さらにMRIで小脳腫瘍を認めた。多発するBCCや掌蹠の小陥凹が存在した場合は本疾患を疑い精査するとともに,手術による侵襲を最小限にするためにも増大する前に積極的なBCCの切除が必要と考えた。

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参考文献 (17)*注記

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