多彩な分化を示した頭部腫瘤の1例

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  • A case of head tumor showing varied differentiation to the sweat and sebaceous glands

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抄録

40歳,男性。出生時より後頭部に軽度の隆起した皮疹を認めていた。数ヵ月前より同部位が膨隆し,増大傾向を認めたために2009年1月14日当院脳神経外科を受診した。頭部CTにて骨,脳に異常を認めず,当科を紹介受診となった。生検にて乳頭状汗腺嚢胞腺腫の疑いで,後日全切除術を行った。切除病理標本では,大小の管腔が増生している部位に隣接して腫瘍細胞の胞巣が増生していた。腫瘍部では,腫瘍細胞はD-PAS,CK7,CEAに陽性で,好塩基性無構造物質の沈着を認める部位も散見され,汗腺系腫瘍と思われる部位と,腫大した好酸性の核を有した泡沫状の腫瘍細胞が主体で,CK7,adipophilinに陽性を示す脂腺系腫瘍と思われる部位を認めた。<br> なお腫瘍周囲の正常部位では,表皮肥厚,多房性脂腺やアポクリン腺の増加を認め,腫瘍の母地が類器官母斑であったことが示唆された。

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