胃癌症例における血中CRPの臨床病理学的意義

  • 毛利 靖彦
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 田中 光司
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 大井 正貴
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 安田 裕美
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 問山 裕二
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 三木 誓雄
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科
  • 楠 正人
    三重大学大学院医学系研究科消化管・小児外科

書誌事項

タイトル別名
  • Prognostic significance of preoperative serum crp level in patients with gastric cancer

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抄録

目的:胃癌症例における術前C-reactive protein(CRP)値と予後との関係,および,腫瘍微小環境とCRP値について検討した.<BR>方法:胃癌の診断にて胃切除を施行した91例を対象とした.術前CRP値と臨床病理学的因子,予後および,腫瘍内サイトカイン濃度(interleukin-1β,interleukin-6,interleukin-1ra)を測定し,CRP値との関連について検討した.<BR>結果:病理組織学的因子とCRP値との間に有意な関連は認めなかった.しかし,CRP高値(CRP≧1.0mg/dl)を示す症例では,有意に予後が不良であった.また,腫瘍組織内IL-1β濃度は,CRP高値例でCRP低値(CRP<1.0mg/dl)例と比較して有意に高値を示した.<BR>結論:胃癌術前CRP値は予後に影響を与えており,CRP値上昇は炎症性サイトカインを中心とする腫瘍内微小環境と密接な関係があることが示唆された.

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参考文献 (48)*注記

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