経胸経腹アプローチにて治療した心膜損傷を伴う外傷性横隔膜ヘルニアの1例

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タイトル別名
  • A case of traumatic diaphragmatic hernia accompanied by rupture of the pericardium requiring thoracic and abdominal surgery

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抄録

症例は78歳,男性.軽自動車を運転中に側溝に落ち受傷し,当院に救急搬送された.CTで左胸腔内に脱出した胃,結腸を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアと診断,同日緊急手術を行った.右半側臥位とし,第VII肋間前側方から開胸した.左横隔膜に裂創を認め,胃および横行結腸の左胸腔内への脱出を認めた.横隔膜損傷が縦隔まで及んでいたため,左肋弓下斜切開の開腹を追加した.脱出臓器を腹腔へ還納し横隔膜を観察すると,正中付近では横隔膜・心膜移行部まで損傷が及んでおり,心臓も一部露出した状態であった.胸腔側からは心膜損傷部を可視できなかったために,腹腔側からPTFEシートを用いパッチ形成した.今回われわれは経胸的には確認し得ない心膜損傷を伴う外傷性横隔膜ヘルニアを経験し,経胸的に手術を行う際には,経腹アプローチが可能な体位で手術に臨むことが重要であると考えた.

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