エンドファイトと植物の共生確立機構

• 田中 愛子

  名古屋大学　大学院生命農学研究科　生命技術科学専攻　生物生産技術科学講座　植物生産科学第一研究分野

• 竹本 大吾

  名古屋大学　大学院生命農学研究科　生命技術科学専攻　生物生産技術科学講座　植物生産科学第一研究分野

• Barry SCOTT

  Institute of Molecular BioSciences, Massey University

書誌事項

タイトル別名

• Functional analysis of endophyte genes required for maintaining the mutualistic symbiosis between Epichloe festucae and perennial ryegrass
• Functional analysis of endophyte genes required for maintaining the mutualistic symbiosis between Epichloë festucae and perennial ryegrass

抄録

Epichloëエンドファイトは，宿主植物ペレニアルライグラスの細胞間隙を伸長して共生を確立する．本研究では，共生維持に関わる遺伝的背景を明らかにすることを目的とし，遺伝子タギング法を用いて，E. festucaeの共生能欠損変異株FR2を分離した．FR2株は，宿主内での菌糸生育が野生株に比べ著しく促進され，接種植物に生育阻害や枯死を引き起こした． FR2株におけるプラスミド挿入領域を解析し，その領域から活性酸素生成に関わるNADPHオキシダーゼをコードする遺伝子noxAを見出した．noxA破壊株は，宿主植物中での活性酸素生成能を失っていたことから，本菌の宿主との共生確立には，活性酸素の生産が不可欠であることが示された．本研究ではさらに，NoxAの活性化に関わる制御因子NoxRおよびRacAを同定し，これらがNoxAによる活性酸素生産に不可欠であること，また，Epichloëエンドファイトの宿主との共生確立に必要であることを明らかにした．

収録刊行物

• マイコトキシン

  マイコトキシン 61 (1), 19-23, 2011

  日本マイコトキシン学会

キーワード

• エンドファイト
• Epichloë festucae
• NADPH oxidase
• 活性酸素

詳細情報

• CRID: 1390001204786061056
• NII論文ID: 10030541248
• NII書誌ID: AN00334513
• DOI: 10.2520/myco.61.19
• ISSN: 18810128
• ISSN: 02851466
• Web Site: https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010812406
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • IRDB
  • Crossref
  • CiNii Articles
  • KAKEN
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可