痒みの発生機序と鎮痒薬の薬理

  • 倉石 泰
    富山大学大学院 医学薬学研究部 応用薬理学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Mechanisms of itch and pharmacology of anti-pruritic agents
  • ヨウミ ノ ハッセイ キジョ ト チンヨウヤク ノ ヤクリ

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抄録

痒みは,皮膚表層の生体防御感覚であり,マスト細胞,ケラチノサイト,T細胞,一次感覚ニューロンなどが産生・放出するアミン,ペプチド,サイトカイン,プロテアーゼ,脂質メディエーターなど多種多様な因子が起痒因子となる.痒みの受容にTRPV1チャネルを発現する一次感覚ニューロンが重要な役割を果たす.すなわち,TRPV1チャネルは起痒因子による一次感覚ニューロンの発火に関与する.一次感覚ニューロンのガストリン放出ペプチドは脊髄後角における痒み信号の伝達に関わり,BB2ボンベシン受容体を発現する後角ニューロンは多様な痒み信号の入力を受ける.脊髄後角では下行性ノルアドレナリン作動神経がα-アドレナリン受容体を介して痒み信号の伝達を抑制する.脳および脊髄のμ-およびκ-オピオイド受容体も痒み信号の調節に関わる.

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 139 (4), 160-164, 2012

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (127)*注記

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