亜鉛(II)とアニオン性ポルフィリンの錯生成を指示反応とする微量カドミウム(II)の吸光光度定量

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タイトル別名
  • Spectrophotometric Determination of Small Amounts of Cadmium (II) Using Formation of Zinc (II) Complex with Anionic Porphyrin as an Indicator Reaction
  • 亜鉛(2)とアニオン性ポルフィリンの錯生成を指示反応とする微量カドミウム(2)の吸光光度定量
  • アエン 2 ト アニオンセイ ポルフィリン ノ サクセイセイ オ シジ ハンノウ ト スル ビリョウ カドミウム 2 ノ キュウコウ コウド テイリョウ

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抄録

ポルフィリンとカドミウムの反応の利用は高感度定量が可能であるが,他元素の妨害があり,特に亜鉛や鉛の妨害が著しい.そのため,これらの元素の妨害除去法について検討を行った.亜鉛の妨害はポルフィリンに特有な金属置換反応を利用し除去した.鉛の妨害の除去にはグッド緩衝剤と金属との錯形成能に注目し,数種のグッド緩衝剤の中からビス(2-ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)が鉛に対して選択的な反応をすることを見いだし,その反応を利用した.これらの妨害除去法を取り入れたカドミウムの定量は,バッチ法で行われた.カドミウムを含む試料溶液に亜鉛溶液,5,10,15,20-テトラフェニル-21H,23H-ポルフィンテトラスルホン酸(TPPS)溶液,Bis-Trisを加えpH調整し,5分間反応させた.結果として,検量線はカドミウム濃度0~100 ppbの範囲で相関係数0.998の良好な直線となり,定量下限は4.8 ppb,検出限界は1.6 ppb(S/N=3),相対標準偏差は1.4%(Cd 10 ppb,n=7)であった.更に,亜鉛は2 ppmまで,鉛は0.5 ppmまでの妨害が除去可能であった.本法は土壌認証標準物質の定量に適用された.

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 59 (7), 589-595, 2010

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (34)*注記

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