アルコール性膵炎の実態調査

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タイトル別名
  • Alcoholic pancreatitis in Japan: a nationwide survey

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抄録

全国の日本消化器病学会認定・関連施設1295施設に対して,受療した急性膵炎および慢性膵炎患者に関するアンケート調査を行った.詳細な飲酒歴の記載されていたアルコール性急性膵炎患者316人(男性268人,女性48人),アルコール性慢性膵炎患者528人(男性481人,女性47人)について飲酒習慣を検討した.女性の膵炎患者の診断時平均年齢は急性膵炎43.0歳,慢性膵炎47.7歳と,男性の急性膵炎50.5歳,慢性膵炎56.8歳に比べて若かった.1日あたりの平均飲酒量は男女間で差を認めなかったが,女性は男性に比べ短い飲酒期間で膵炎を発症していた.累積飲酒量も女性が男性に比べて少なかった.膵炎加療後平均2年間に膵炎が再発するリスクは,断酒した場合に比べ,飲酒量を減らして継続した場合は2.7倍,飲酒量が不変・増加の場合は6.2倍であった.膵炎加療後の断酒指導が特に重要と考えられた.<br>

収録刊行物

  • 膵臓

    膵臓 27 (2), 106-112, 2012

    一般社団法人 日本膵臓学会

参考文献 (21)*注記

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