エピドラスコピーを併用して腰部脊柱管内嚢胞性腫瘤をTuohy針で穿刺し寛解した腰下肢痛の1例

  • 星野 陽子
    虎の門病院麻酔科 虎の門病院麻酔科
  • 住谷 昌彦
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 日下部 良臣
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 佐藤 可奈子
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 冨岡 俊也
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 小川 真
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 関山 裕詩
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター
  • 山田 芳嗣
    東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター 東京大学医学部附属病院麻酔科・痛みセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Successful treatment of spinal canal cystic lesion with the epiduroscopy: a case report
  • 症例 エピドラスコピーを併用して腰部脊柱管内嚢胞性腫瘤をTuohy針で穿刺し寛解した腰下肢痛の1例
  • ショウレイ エピドラスコピー オ ヘイヨウ シテ ヨウブ セキチュウカン ナイノウホウセイ シュリュウ オ Tuohyシン デ センシ シカンホグシタ コシ カシツウ ノ 1レイ

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抄録

エピドラスコピーは腰部脊柱管狭窄症などによる痛みに対して,硬膜外腔の癒着剥離および神経根周囲の洗浄を目的として行われる治療手技である.このようなエピドラスコピーの利用法とは異なり,腰部脊柱管硬膜外腔内嚢胞性病変による腰下肢痛に対して,エピドラスコピーを造影のために使用し,Tuohy針による穿刺によって嚢胞性病変の縮小と痛みの緩和に成功した1症例を経験したので報告する.症例は52歳の女性である.半年前から左臀部痛および左下肢痛を発症し,腰椎MRI所見から第4腰椎硬膜外腔内の嚢胞性病変による第5腰髄神経根の圧迫が痛みの原因と診断した.嚢胞性病変の成因としては第4/5腰椎椎間関節滑液嚢胞が示唆された.まず行われた低侵襲治療である椎間関節ブロック,腰部硬膜外ブロック,薬物療法では痛みは軽減しなかった.そこで,エピドラスコピーを用いて直視的に嚢胞を穿破しようと試みた.しかし,エピドラスコピー本体での穿破は硬度が足りず成功しなかったため,硬膜外腔の局所的な造影で不染部から嚢胞の位置を同定し,第4/5腰椎椎間板間隙からTuohy針を穿刺し嚢胞内容の減量に成功した.穿刺直後から痛みは軽減し,その後の腰椎MRIでは嚢胞性病変が縮小した.

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参考文献 (11)*注記

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