2．門脈圧亢進症における肝臓と心臓の相関

• 近森 文夫

  国吉病院消化器外科

• 国吉 宣俊

  国吉病院消化器内科

• 岡本 博司

  国吉病院消化器内科

• 高瀬 靖広

  つくば双愛病院外科

書誌事項

タイトル別名

• Systemic hemodynamic derangement in portal hypertension
• 門脈圧亢進症における肝臓と心臓の相関
• モンミャクアツ コウシンショウ ニ オケル カンゾウ ト シンゾウ ノ ソウカン

抄録

門脈圧亢進症では，全身血管抵抗（SVRI）の減少，心拍出量（CI）の増加，動静脈血酸素含量較差（Ca-vO₂）の狭小化をきたし，全身循環亢進状態となっている．CIはChild-Pugh scoreと正の相関を示し，プロトロンビン時間（PT），ヘパプラスチンテスト（HPT）と負の相関を示した．SVRIはアルブミン（Alb），PTやHPTと正の相関を示し，ICG₁₅やアンモニア（NH₃）と負の相関を示した｡脾静脈/門脈径比（SPV/PV），左胃静脈/門脈径比（LGV/PV）やシャント/門脈径比（Shunt/PV）は，CIとは正の相関を，SVRIとは負の相関を示す．非高血圧性/高血圧性LCのSVRI（dynes・sec・cm^-5/m²）は1653±475/2162±603，Ca-vO₂（vol％）は2.8±0.9/3.1±1.0，血管コンプライアンス（AC）（ml/mmHg）は1.3±0.5/0.9±0.3と高血圧性LCでは非高血圧性LCに比べて全身血行動態的には循環亢進状態が減弱した状態となっている．門脈圧亢進症診療においては，脾静脈系局所循環亢進状態のみならず全身循環亢進状態についても認識しておくことが肝要である．<br>

収録刊行物

• 肝臓

  肝臓 53 (6), 316-323, 2012

  一般社団法人　日本肝臓学会

キーワード

• 全身血行動態
• 心拍出量係数
• 全身血管抵抗係数
• 動静脈血酸素含量較差

詳細情報

• CRID: 1390282679771508352
• NII論文ID: 10030790118
• NII書誌ID: AN00047770
• DOI: 10.2957/kanzo.53.316
• ISSN: 18813593
• ISSN: 04514203
• NDL書誌ID: 023759363
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I023759363
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/kanzo/53/6/53_316/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012285526
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可