フロッピーインファントにみられた粘膜下口蓋裂の1例

  • 高田 佳之
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野
  • 小田 陽平
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野
  • 泉 直也
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野
  • 小林 正治
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野
  • 齊藤 力
    新潟大学大学院医歯学総合研究科顎顔面再建学講座組織再建口腔外科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Submucous Cleft Palate with Floppy Infant: Report of a Case

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抄録

今回,われわれは染色体異常のあるフロッピーインファントに粘膜下口蓋裂を合併したまれな症例を経験した。<br>患者は10か月時にミルク摂取の際の鼻漏れを主訴に当科を初診した。粘膜下口蓋裂と二裂口蓋垂以外には明らかな外表奇形は無かったが,硬口蓋後方部に骨欠損を認めた。全身の筋力の低下があるものの呼吸困難は認めなかった。1歳6か月時に,当院小児科において精神運動発達遅滞を伴うフロッピーインファントとの診断を受けた。また染色体検査にて,X染色体と15番染色体との相互転座が確認された。<br>熱性痙攣を頻発した経過から先天性ミオパチーであることも否定できず,筋力の低下による呼吸不全や悪性高熱のリスクが考えられたため,軟口蓋形成術を3歳2か月時まで延期した。全身麻酔下にFurlow法による軟口蓋形成術を施行したが,重篤な合併症はなかった。術後の軟口蓋の機能回復は十分とはいえないが,鼻漏れは減少した。<br>今後も長期的に経過観察を行い,軟口蓋や全身の機能回復について注意深く経過観察する必要がある。

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参考文献 (7)*注記

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