Neuromyelitis opticaおよびNeuromyelitis optica spectrum disordersに対するアフェレシス療法の有効性

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タイトル別名
  • Therapeutic apheresis for neuromyelitis optica and neuromyelitis optica spectrum disorders
  • 症例報告 Neuromyelitis opticaおよびNeuromyelitis optica spectrum disordersに対するアフェレシス療法の有効性
  • ショウレイ ホウコク Neuromyelitis optica オヨビ Neuromyelitis optica spectrum disorders ニ タイスル アフェレシス リョウホウ ノ ユウコウセイ

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抄録

視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)は視神経炎と横断性脊髄炎を生じる炎症性中枢神経疾患であり,再発を繰り返すNMOは視神経脊髄型多発性硬化症として日本とアジアに特徴的な多発性硬化症病型とされてきた.近年その病態に抗アクアポリン(AQP)4抗体が関連していることが判明した.発症急性期にはステロイド療法が行われるが,治療抵抗性を示すこともあり,その場合,最近は血漿交換療法の導入が検討されることもある.今回,われわれが経験した治療抵抗性のNMO 3例とNMO spectrum disordersとして抗AQP4抗体陽性視神経炎5例および抗AQP4抗体陽性脊髄炎2例についてアフェレシスの有効性を検討した.単純血漿交換(plasmaexchange:PE)を1例,二重膜濾過血漿交換(double-filtration plasmapheresis:DFPP)を4例,免疫吸着(immunoadsorbance plasmapheresis:IAPP)を5例に施行した.年齢は13から63歳で,性別は男性4名,女性6名であった.DFPPの補充液としては5%アルブミン溶液を用いた.IAPPの二次カラムはイムソーバTR-350®を使用した.抗凝固薬は,動脈直接穿刺を行った小児例でのみナファモスタット,他はヘパリンを用いた.処理量はPEとDFPPでは体重当たりの推算血漿量と同量,IAPPでは規定通り1.5Lとした.施行回数は平均4.9回であった.発症からアフェレシス導入までの日数が40日までの8症例では症状が改善した.他の2例は53日と120日目に導入され,改善もみられなかった.治療モードによる効果の違いは,導入時期が異なるうえに例数が少ないため比較できなかった.アフェレシスは,治療抵抗性のNMOやNMO spectrum disordersに早期に導入すると有効であると考えられた.

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参考文献 (44)*注記

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