セミインタクト細胞リシール法を用いた「病態モデル細胞」作製とその疾患研究への応用

  • 村田 昌之
    東京大学大学院総合文化研究科・生命環境科学系
  • 加納 ふみ
    東京大学大学院総合文化研究科・生命環境科学系

書誌事項

タイトル別名
  • Establishment of “Disease Model Cells” Based on Semi-intact Cell-resealing Technique and Its Application for Analyzing Pathogenic Intracellular Events
  • セミインタクト サイボウ リシールホウ オ モチイタ 「 ビョウタイ モデル サイボウ 」 サクセイ ト ソノ シッカン ケンキュウ エ ノ オウヨウ
  • Establishment of ^|^ldquo;Disease Model Cells^|^rdquo; Based on Semi-intact Cell-resealing Technique and Its Application for Analyzing Pathogenic Intracellular Events

この論文をさがす

抄録

正常および病態の網羅的マイクロアレイ解析やプロテオーム解析が進み,多数の疾患関連遺伝子やタンパク質が抽出され,その細胞内機能や病態との関連が遺伝子改変マウスなどを用い盛んに研究されようとしている.しかし,その網羅的解析によって抽出される遺伝子・タンパク質の数は膨大であり,創薬・診断研究の現場では,動物個体を使用した前臨床研究におけるコストと時間のパフォーマンスの増大のため,リード化合物のスクリーニングやその副作用・作用機序研究における「細胞アッセイ」の重要性はますます増大してきている.しかし,現行の細胞アッセイの多くは「正常細胞」を使用したものであり,「病態環境」における細胞機能のかく乱の分子解析や,病態状態を示す細胞を利用した創薬スクリーニングを実践することが難しいのが現状である.本総説では,この「病態環境」を再現した細胞アッセイ系として,セミインタクト細胞リシール法を用いて作製した「病態モデル細胞」とその利用法を紹介するとともに,この誕生したばかりのツールの利点と,その克服すべき問題点と今後の展望について概説する.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 50 (7), 510-517, 2012

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (17)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ