口腔扁平上皮癌細胞株に含まれる癌幹細胞の解析

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タイトル別名
  • Analysis of cancer stem cells in an oral squamous cell carcinoma cell line
  • コウコウ ヘンペイ ジョウヒガン サイボウカブ ニ フクマレル ガン カン サイボウ ノ カイセキ

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抄録

口腔扁平上皮癌において癌幹細胞は腫瘍形成や成長に関与するため,その特性の解明は癌化や抗癌治療の進歩に大きく貢献するものと思われる.癌幹細胞は腫瘍中に少数しか存在せず,明確な指標も存在していないが,無血清培地中で,anchorage independentに増殖して細胞塊を形成するsphere形成能を有することが分かっている.本研究で,われわれはsphere形成能を指標として,癌幹細胞としての性質を有する細胞が口腔扁平上皮癌細胞株に含まれる可能性をHSC3,HSC4およびSASを用いて検討した.その結果,いずれも血清の有無に関わらず細胞塊形成はできたが,HSC3とHSC4は細胞増殖せず,SASのみが増殖してshpere形成能を示した.これらの結果は舌由来の口腔扁平上皮癌細胞株の中で,SASには癌幹細胞としての性質をもつ細胞が存在する可能性が示唆された.

収録刊行物

  • 歯科医学

    歯科医学 75 (2), 76-80, 2012

    大阪歯科学会

参考文献 (11)*注記

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