ステロイド抵抗性内耳自己免疫病95症例の2年治療成績

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  • Intermittent treatment with low dose Cyclophosphamide to 95 cases of steroid unresponsive autoimmune inner ear disease in a two-years' period

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抄録

内耳自己免疫病でプレドニゾロン60mg漸減治療無効95症例146難聴耳、めまい併発31症例に対する2年間のシクロフォスファミド治療効果を検討した。<BR>初回CPM治療では正常回復18耳、著明回復28耳、回復27耳、不変73耳、悪化0耳で難聴耳改善率が50%の成績であった。2年間に41名64耳が再発した。2年後成績では各々17耳、25耳、25耳、69耳、10耳であった。難聴耳改善率は46%で初回治療成績と有意差なかったが、悪化率は有意に増加した。非再発群での初回治療成績別2年後難聴耳改善率は、正常回復耳100%、著明回復耳81%、回復耳71%、不変耳11%であった。一方、再発群では各々50%、67%、77%、17%であった。正常回復耳の2年後難聴耳改善率は、非再発群が再発群に比較して有意に高率であったが、著明回復耳や回復耳では両者間に有意差なかった。この結果、初回治療回復以上の改善耳は再発しても2年間は50%以上の改善率を維持した。既病名別の難聴耳改善率は急性低音障害型感音難聴69%、メニエール病55%、突発性難聴49%、対側型遅発性内リンパ水腫25%、特発性感音難聴22%の順であった。回転性めまい発作は治療開始後3カ月で有意に減少した。めまい症例と非めまい症例との難聴耳改善率には有意差なかった。ステロイド難治性難聴、めまいの内耳自己免疫病症例のCPM治療2年後には難聴耳の46%が改善し、めまい症状の全例が有意に改善した。

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