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- 井関 睦美
- 明治大学商学部
書誌事項
- タイトル別名
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- Changes in environmental cognition due to natural disasters in the history of the Aztecs
- アステカ オウコクシ ニ オケル シゼン サイガイ ト カンキョウ ニンシキ ノ ヘンヨウ
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抄録
アステカ王国は1428年から1521年まで,メキシコ盆地を中心に繁栄を極めた.その歴史の中でも,モテクソマ1世の治世(1440~1469年)は最も大きな社会変動期であった.1440年代には自然災害頻発し,1450年からの5年間,異常気象による大飢饉が続いた.食糧の備蓄は底をつき,疫病が蔓延し,多くの民衆がメキシコ盆地を去り,王国は存亡の危機に瀕した.これを機に,王国は旱魃被害の少ないメキシコ湾岸地方を攻略した.主都近郊では耕作地の開拓と水道橋建設を進め,災害対策を拡充した.また繰り返し起こる旱魃を理由に,伝統儀礼を再編し,メキシコ盆地における宗教的・政治的支配力を誇示する機会に利用した.その結果,アステカ王国は急速にその勢力を拡大していった.<BR>本稿では,異常気象の記録史料を近年の年輪気候学研究の成果と照合し,自然災害の社会的影響と王国の対応策を分析し,アステカ社会における環境認識の変容を考察する.
収録刊行物
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- 第四紀研究
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第四紀研究 51 (4), 215-221, 2012
日本第四紀学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282681472651648
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- NII論文ID
- 10030972815
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- NII書誌ID
- AN0034136X
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- ISSN
- 18818129
- 04182642
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- NDL書誌ID
- 023919705
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
- KAKEN
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可