胃結腸瘻の1例

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タイトル別名
  • A Case of Gastrocolic Fistula Due to Gastric Ulcer

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抄録

良性胃潰瘍による胃結腸瘻は比較的珍しい疾患と考えられる.我々は良性胃潰瘍による胃結腸瘻を経験したので報告する.症例は62歳,男性.悪心,上腹部痛,下痢,体重減少を主訴に受診.上部消化管内視鏡検査で胃体下部に潰瘍性病変を認め,スコープを進めると大腸の粘膜が確認できた.潰瘍の周囲から生検を行ったが,悪性所見は認めなかった.上部消化管造影検査では胃が描出された直後に横行結腸が描出され,胃体下部と横行結腸の間の瘻孔が確認できた.良性胃潰瘍による胃結腸瘻と診断し手術を行った.胃体下部小弯と横行結腸が強固に癒着しており,その部位が瘻孔と判断し,幽門側胃切除および横行結腸部分切除を行い,胃と横行結腸を一括で摘出した.病理組織学的検査所見では胃体下部小弯に潰瘍を認め,横行結腸に穿通していたが悪性像は認めなかった.胃潰瘍は結腸と瘻孔を形成することもありうるということを念頭におくべきである.

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参考文献 (28)*注記

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