花成ホルモン―フロリゲン―とその受容体の構造解析からみえてきたフロリゲン機能の分子基盤

  • 田岡 健一郎
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室
  • 大木 出
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科生体高分子構造学研究室
  • 辻 寛之
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室
  • 児嶋 長次郎
    大阪大学蛋白質研究所機能構造計測学研究室
  • 島本 功
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科植物分子遺伝学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Basis of Florigen Function Revealed by Structural Analysis of Florigen Activation Complex
  • カセイホルモン ― フロリゲン ― ト ソノ ジュヨウタイ ノ コウゾウ カイセキ カラ ミエテ キタ フロリゲン キノウ ノ ブンシ キバン

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抄録

花成ホルモン・フロリゲンは,「日長変化の刺激により葉で合成され,維管束を通って茎頂へと運ばれ,花芽形成を誘導するホルモン」として1930年代に提唱された.その後,長い間その分子実体は謎であったが,2007年に筆者らを含むいくつかの研究グループから,シロイヌナズナFT/イネHd3aタンパク質がフロリゲンであることを強く支持する結果が出された.しかし,茎頂へと運ばれたFT/Hd3aタンパク質の細胞内での役割は不明であった.2011年にわれわれは,Hd3aとその受容体14-3-3と転写因子OsFD1からなる複合体の構造と機能を明らかにした.本稿では,フロリゲン活性化複合体の研究を中心にその経緯を紹介し,構造解析から見えてきたフロリゲン機能の分子基盤について解説する.

収録刊行物

  • 化学と生物

    化学と生物 50 (9), 654-659, 2012

    公益社団法人 日本農芸化学会

参考文献 (26)*注記

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