発語失行・口腔顔面失行を伴う重度運動失語例 (46 歳) の長期経過

• 森山 梅千代

  特別養護老人ホーム 清雅苑

• 浜 雄一郎

  日本大学 歯学部 矯正学教室

書誌事項

タイトル別名

• Long-term Recovery Process in a Case of Severe Motor Aphasia with Severe Apraxia of Speech and Severe Oro-facial Apraxia

抄録

発症から 8 ヵ月を経過している発語失行および口腔顔面失行を伴う重度運動失語例 (46 歳男性) に，失語症訓練と構音訓練を 4 年経過時まで (実質 3 年間) 実施した。訓練内容および経過を示し，標準失語症検査 (以下 SLTA) および〈発語失行症〉話しことばの評価票，単音節 (109 音節) 検査によって言語機能および構音能力の推移を評価し検討した。その結果，初診時と4 年経過時とを比較すると，SLTA の「話す」「書く」項目と，会話明瞭度の得点が上がり，随意的に構音可能な音が増加した。意思伝達手段はゼスチャーと描画から発話と書字に改変した。SLTA の成績等の経過から，表出面の回復は 1 年を経過した頃から始まり，4 年経過時にも継続しており，回復は長期にわたることが示された。このことから，40 歳以上の重度運動失語例であっても，訓練効果は発症後短期間にのみ見られるのではなく，長期にわたることが示唆された。

収録刊行物

• 高次脳機能研究 （旧 失語症研究）

  高次脳機能研究 （旧 失語症研究） 31 (2), 212-221, 2011

  一般社団法人 日本高次脳機能障害学会

キーワード

• 重度運動失語症
• 長期訓練経過
• 発語失行
• 構音訓練
• 患者参加型訓練

詳細情報

• CRID: 1390282680182096256
• NII論文ID: 130004467685
• NII論文ID: 10031128153
• NII書誌ID: AA1182424X
• DOI: 10.2496/hbfr.31.212
• ISSN: 18806554
• ISSN: 13484818
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011306644
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可