腹腔鏡下手術を施行した柿胃石による小腸閉塞の1例

  • 二渡 信江
    北里大学北里研究所メディカルセンター病院外科
  • 久保 任史
    北里大学北里研究所メディカルセンター病院外科
  • 高橋 禎人
    北里大学北里研究所メディカルセンター病院外科
  • 西 八嗣
    北里大学北里研究所メディカルセンター病院外科
  • 八十川 要平
    北里大学北里研究所メディカルセンター病院外科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Intestinal Obstruction Due to a Persimmon Bezoar Operated with Laparoscopic Surgery

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抄録

症例は73歳の女性で,2009年12月に悪心,胸焼けを主訴に前医受診した.プロトンポンプ阻害薬を処方されたが軽快せず,当院受診し,腹部CT検査で腸閉塞と診断し入院となった.イレウス管を留置し,減圧したが腹部膨満感は改善せず,第13病日のイレウス管造影で,イレウス管先端部肛門側の回腸に透亮像を認めた.腹部CT検査,MRI検査で小腸内に含気を伴う腫瘤像が認められるため,落下胃石の小腸嵌頓による腸閉塞が疑われた.イレウス管造影で,透亮像は終末回腸付近で移動しないため,胃石による腸閉塞と診断し,第18病日,腹腔鏡下に手術を施行した.終末回腸より20cm口側の小腸間膜に白苔の付着を認め,小腸部分切除術を施行した.術後経過は良好で,術後14日目に退院となった.異物は,6.0×3.0×2.5cmで柿胃石と推測された.嵌頓胃石による腸閉塞は比較的稀であり,イレウス管をガイドに腹腔鏡下に切除できた症例を経験したので報告する.

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参考文献 (15)*注記

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