超高齢者におけるEPA値及びEPA/AA比と動脈硬化性疾患の関連性について

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タイトル別名
  • Relationship between EPA or EPA/AA and arteriosclerosis in elderly patients over 80 years old
  • チョウコウレイシャ ニ オケル EPAチ オヨビ EPA/AAヒ ト ドウミャク コウカセイ シッカン ノ カンレンセイ ニ ツイテ

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抄録

目的:最近,魚油の摂取が冠動脈疾患を中心に動脈硬化性疾患の発生を減少させることや,細胞老化抑制作用を有する可能性が報告されている.これまで報告されているEPA/AA比に関する臨床研究は,70歳代までの患者を対象とした研究報告が大半であり,80歳以上を対象として検討した研究は少ない.そこで超高齢者を対象に脂肪酸4分画値を測定し,EPA値やEPA/AA比の検討と,動脈硬化性疾患との関連性を比較検討した.方法:当院当科に加療を要した患者のうち,EPA製剤を服用していない80歳以上の患者連続150人(平均年齢85.4±4.3歳)を対象に,脂肪酸4分画を測定し,動脈硬化性疾患との関連性を検討した.結果:平均値は,EPA 55.9±34.5 μg/mL,AA 145.1±45.4 μg/mLであり,EPA/AA 0.40±0.24であった.虚血性心疾患の既往のある患者でのEPA/AA比とEPA値は,有意差は認めなかった.脳血管障害の既往のある患者においてもEPA/AA比とEPA値は非既往者と有意差がなく,また,eGFR値とEPA/AA比との間にも相関関係は認めなかった.結語:超高齢者を対象とした今回の検討では,70歳代を境にEPA/AA比やEPA値は低下傾向となると推察された.また,80歳以上の超高齢者におけるEPA/AA比と動脈硬化性疾患との関連性は70歳代までの患者と比較して低いと考えられた.<br>

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