実験的マウス足蹠腫脹反応に対する抗真菌薬リラナフタートの抑制効果

  • 丸山 奈保
    帝京大学医真菌研究センター 帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科
  • 石島 早苗
    帝京大学医真菌研究センター
  • 安部 茂
    帝京大学医真菌研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Suppression of Experimental Footpad Inflammatory Reaction by Anti-fungal Agent Liranaftate in Mice
  • ジッケンテキ マウス ソクセキシュチョウ ハンノウ ニ タイスル コウシンキンヤク リラナフタート ノ ヨクセイ コウカ

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抄録

チオカルバミン酸系外用白癬治療剤リラナフタートが,足で起こる炎症およびそう痒感に及ぼす効果を検討するため,ホルボール12ミリスタート13アセタート(PMA)塗布により生じるマウスの足蹠の腫脹,また,compound 48/80 皮内投与による知覚刺激により引き起こされる paw licking(足舐め行動)を指標として検討を行った.Compound 48/80 による足舐め行動に対するリラナフタート塗布の効果を測定したところ,抗ヒスタミン薬であるピリルアミンでは足舐め行動時間の有意な抑制が認められたのに対し,4%リラナフタートを compound 投与の1時間前に塗布しても,足舐め行動時間の有意な抑制は認められなかった.リラナフタートが PMA により誘導される耳の炎症を抑制することをすでに報告していることから,PMA による足蹠の炎症に対するリラナフタートの効果を検討した.耳の場合と同様,リラナフタート塗布は PMA 塗布24時間後の足の腫脹を有意に抑制することが示された.この状態で compound 48/80 を投与し足舐め行動時間を測定したが,リラナフタートは足炎症を抑制したにもかかわらず足舐め行動時間に変化を起こさなかった.これらのことから,リラナフタート塗布は急性炎症早期の抗ヒスタミン作用を介して痒みを直接緩和する可能性は低いものの,足部でもサイトカイン産生を伴う急性炎症(後期)を抑制するものと判断される.

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参考文献 (19)*注記

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