前立腺肥大症に対するTUEB(Transurethral Enucleation with Bipolar)

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タイトル別名
  • Transurethral Enucleation with Bipolar for Benign Prostatic Hyperplasia
  • ゼンリツセン ヒダイショウ ニ タイスル TUEB(Transurethral Enucleation with Bipolar)

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抄録

前立腺肥大症患者150例に対して経尿道的前立腺剥離術を行った.頸部,12時方向の腺腫は剥離しない不完全な剥離後に,TURPで内腺を細切除去した.まず,精阜の5時と7時で粘膜を切開し,次にTUEB剥離用スパチュラで腺腫と外腺との境界を確認し剥離した.視野を保つため被膜血管からの出血は常に凝固止血した.剥離された腺腫からの出血はほとんど無い状態でループ型電極を用いTURPが可能であった.<br> 平均観察期間は13.6ヵ月,最長観察期間は47ヵ月であった.内腺体積は平均27.5mlであり,平均前立腺切除重量は26.4g,平均手術時間は58分であった.術後のヘモグロビン値の低下は0.2g/dlであり輸血症例を認めなかった.術前のIPSSは 20.4,平均最大尿流量率は7.0ml/s, 残尿量は130mlであったが,術後2年目にはIPSSは6.5,平均最大尿流量率は14.4ml/s,残尿量は9.9mlと長期観察でも排尿に関する全てのパラメーターが有意に改善した.術後2年目で前立腺体積は52.3mlから11.6mlと縮小し,PSA値も6.7ng/mlから1.2ng/mlに低下した.合併症として前部尿道狭窄を8.6%,膀胱頸部狭窄を1.3%に認めたが,TUR症候群等の重篤な合併症は認めなかった.<br> 長期経過観察においてもTUEBは低侵襲かつ有効な手術法と考えた.

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参考文献 (16)*注記

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