HeH`+´の分子軌道エネルギー準位図

  • Amih SAGAN
    産業技術総合研究所ナノシステム研究部門計算科学研究領域,〒305-8562つくば市梅園1-1-1
  • 長岡 伸一
    愛媛大学理学部化学科,〒790-8577松山市文京町2-5
  • 寺前 裕之
    城西大学 理学部化学科, 〒350-0295 坂戸市けやき台1-1
  • 長嶋 雲兵
    産業技術総合研究所ナノシステム研究部門計算科学研究領域,〒305-8562つくば市梅園1-1-1

書誌事項

タイトル別名
  • Molecular Orbital Energy Level Diagrams of HeH+
  • HeH+の分子軌道エネルギー準位図
  • HeH ⁺ ノ ブンシ キドウ エネルギー ジュンイズ

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抄録

HeH+は異核2原子分子の最も簡単なモデルであり,その結合形成はHe+ + H → HeH+ で表せる共有結合型とエネルギー的に安定なHe + H+ → HeH+の配位結合型がある.本ノートでは両者の分子軌道エネルギー準位図を示し,その違いについて説明する.用いた計算方法はHF/6-311++G**である.共有結合型の分子軌道エネルギー準位図では,HeH+の1σ軌道の軌道エネルギー(-1.6288a.u.)はHの1s (-0.4998a.u.)より低く,安定化しているがHe+の1s (-1.9983a.u.)より高く,不安定化している.1σ軌道はおもにHeの1s軌道で構成されており,HeH+のHeとHの形式電荷はそれぞれ約0.3および0.7である.このようにHの電子がHe+側に寄っているため,He+の1s軌道から見ると相対的に電子間反発で不安定化するように見える.他方配位結合型の分子軌道エネルギー準位図では,HeH+の1σ軌道の軌道エネルギーはH+の1s (-0.4998a.u.)およびHeの1s (-0.9176a.u.)より低く,安定化している.Heの電子がH+側に寄るため,Heの1s軌道の2つの電子の反発が緩和され安定化する.

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