術前CTで造影効果不良であった後縦隔血管腫の1例

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  • Resection of a posterior mediastinal hemangioma which was slightly enhanced by chest CT

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抄録

症例は66歳女性.咳嗽を主訴に近医を受診し,胸部CTで後縦隔腫瘍を指摘され紹介となった.近医にて1年間経過観察とされたが,徐々に増大傾向を示したため手術の方針となった.術前の造影CTでは第3から4胸椎右側に30×20 mmの腫瘤を認め,早期相で腫瘤辺縁にわずかに点状の造影効果を認めた.MRIではT1強調像で筋と等信号,T2強調像で内部に著明な高信号とやや高信号の部分が混在している所見であった.以上より神経原性腫瘍を疑い胸腔鏡下摘出術を施行した.易出血性の腫瘍であり出血量は500 gであった.病理組織診断は血管腫であった.縦隔内血管腫はCT, MRIで多様な画像所見をとることが多く,術前に確定診断に至った例は少ない.本例のように術前CTで造影効果不良な縦隔内腫瘍であっても血管腫の可能性を念頭において慎重に術中剥離操作をすすめるべきである.

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参考文献 (14)*注記

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