複数の基本的検査を組み合わせて甲状腺機能異常を発見する診断支援ツール -人間ドックにおけるスクリーニングの実際-

書誌事項

タイトル別名
  • New Method for Aiding Detection of Abnormal Thyroid Function in Patients Making Use of Set of Routine Tests- Applying It in Screening During General Health Check-ups
  • フクスウ ノ キホンテキ ケンサ オ クミアワセテ コウジョウセン キノウ イジョウ オ ハッケン スル シンダン シエン ツール ニンゲン ドック ニ オケル スクリーニング ノ ジッサイ

この論文をさがす

抄録

目的:われわれは複数の基本的検査項目を組み合わせた顕性甲状腺機能異常症の新しいスクリーニング法を開発した.今回人間ドック受診者を対象に,この方法の有用性について検討した.<br>方法:先行研究で開発した,顕性甲状腺機能異常症患者に特徴的な基本的検査セットの変動に着目して受診者の異常をスクリーニングする簡便な方法を用いた.JR仙台病院人間ドック受診者2,379名を対象に,アルカリフォスファタ―ゼ(ALP),血清クレアチニン(S-Cr),総コレステロール(TC),乳酸脱水素酵素(LDH),赤血球数(RBC)を入力し,コンピュータに機能異常が疑われる者を予測させた.<br>結果:コンピュータの予測に加え甲状腺専門医が心拍数や体重変動,心電図などの付加情報も考慮した結果51名(2.14%)に甲状腺機能異常が疑われ,精査受診を勧奨した.来院時の血液または人間ドック時の残血のホルモン検査により,28名中,新たに6名の顕性および1名の潜在性甲状腺機能異常症を発見した.この7名全例で機能異常に関する訴えはなく人間ドック担当医は甲状腺異常を疑っていなかった.<br>結論:人間ドックで測定済の基本的検査データを活用することで,ホルモンを測定せずに顕性甲状腺機能異常症をスクリーニングする新しい手法の有用性が確認された.本手法は一般内科医や人間ドック担当医に有用性が高いと思われ,患者QOLの改善をもたらすことができる.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (29)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ