脳形成異常と遺伝子

  • 加藤 光広
    Department of Pediatrics, Yamagata University Faculty of Medicine

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タイトル別名
  • Brain Malformations and Genetic Factors

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抄録

 脳形成異常の分類は, 原因遺伝子と脳発生機序に基づいて数年ごとに更新されている. 原因となる遺伝型と表現型の関連性は複雑だが, 座位異質性と多面発現の2つに分けられる. 座位異質性を示す代表が全前脳胞症であり, SHH, ZIC2など前脳腹側化に関与する多様な遺伝子の変異によって同一の表現型が現れる. 一方, 多面発現の代表がARX遺伝子であり, 機能喪失変異は脳形成異常をきたすが, 機能獲得変異は脳形成異常を伴わない精神遅滞やてんかんなど幅広い多様な表現型を示す. 脳形成異常の遺伝子同定は進歩が著しく, 最新の情報に基づいた診療が望ましい.

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参考文献 (23)*注記

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