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- 勝田 正一
- 千葉大学大学院理学研究科
書誌事項
- タイトル別名
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- Distribution Behavior of Neutral and Anionic Compounds in Ionic Liquid/Water Biphasic Systems
- イオン エキタイ/ミズ ニソウケイ ニ オケル チュウセイ オヨビ インイオンセイ カゴウブツ ノ ブンパイ キョドウ
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抄録
イオン液体/水二相系における種々の置換ベンゼン類,フェノール類及びフェノラートイオン類の分配挙動を詳しく調べた.イオン液体には,1-ブチル-3-メチルイミダゾリウム,1-メチル-3-オクチルイミダゾリウム,1-ブチル-1-メチルピロリジニウムを陽イオンとする5種類の一般的な疎水性イオン液体を用いた.電気的に中性の物質について決定したイオン液体/水間分配係数は,イオン液体の種類にあまり依存せず,1-オクタノール/水間の分配係数と相関を示すことが確認された.正則溶液論に基づく解析により,イオン液体と1-オクタノールの抽出能力の類似性は,これらの溶媒の溶解パラメーターが近いことに帰着された.また,溶質の極性置換基とイオン液体との相互作用エネルギーを評価した結果,イオン液体は1-オクタノールと同様にルイス酸性とルイス塩基性を併せ持つが,1-オクタノールに比べて塩基性は弱く,酸性は強いことが明らかになった.一方,イオン液体はそれ自身でフェノラートイオンを抽出する能力を持ち,その抽出能力は構成陽イオンの疎水性と構成陰イオンの親水性に支配されることが示された.イオン液体によるフェノラートイオンの抽出には,構成イオンとのイオン対抽出及びイオン交換の二つの機構が含まれる.イオン液体による陰イオンの抽出平衡モデルを構築するとともに,陰イオンの分配比とイオン液体の水中での溶解度積との間の規則的関係を見いだした.
収録刊行物
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- 分析化学
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分析化学 62 (4), 297-315, 2013
公益社団法人 日本分析化学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679639056512
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- NII論文ID
- 10031151802
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- NII書誌ID
- AN00222633
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- COI
- 1:CAS:528:DC%2BC3sXntVWkurg%3D
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- NDL書誌ID
- 024615463
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- ISSN
- 05251931
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- NDL
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可