膨潤麻酔を併用したTAPP法により修復しえたindirect 膀胱ヘルニアの１例

• 西條 文人

  東北労災病院外科

• 徳村 弘実

  東北労災病院外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Laparoscopic Transabdominal Preperitoneal Repair with Tumescent Local Anesthesia for Indirect Inguinal Bladder Hernia

抄録

症例は59歳，男性．右陰囊部腫大と疼痛を主訴に近医受診後，当院紹介となった．膀胱造影検査，腹部CT検査にて膀胱壁が陰囊まで達する鼠径ヘルニアと診断され，膨潤麻酔併用による腹腔鏡下経腹的腹膜前鼠径ヘルニア修復術（tTAPP）を施行した．内鼠径輪から滑脱した膀胱を認めたが，膀胱壁を切除することなく還納し，ポリプロピレンメッシュで鼠径床を被覆した．本手術は膨潤麻酔を腹膜前腔に注入することで層構造と解剖を理解しやすくし，またエピネフリンによる止血効果により良好な視野で手術が可能となり，膀胱損傷回避の面でも，安全な術式と考えられた．膀胱ヘルニア修復に対するtTAPP法は，正確な診断と治療として有効な術式と考えられた．

収録刊行物

• 日本外科系連合学会誌

  日本外科系連合学会誌 37 (6), 1226-1230, 2012

  日本外科系連合学会

キーワード

• TAPP
• 膀胱ヘルニア
• 膨潤麻酔

詳細情報

• CRID: 1390001204343927808
• NII論文ID: 10031152883
• NII書誌ID: AN00002502
• DOI: 10.4030/jjcs.37.1226
• ISSN: 18829112
• ISSN: 03857883
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2013248720
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可